渡良瀬ネイチャリングアクトは渡良瀬川の釣り人による渡良瀬川のサポーターの会です。このブログは、渡良瀬川をいつもの釣り場にする釣り人たちが会の活動と四季折々の川の様子をお伝えしていきます。
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ヤマメ発眼卵の飼育
2012年10月23日 (火) | 編集 |
 ホームページに置いた「ヤマメ発眼卵の飼育」を、今年(11月3日(土/祝))のヤマメ発眼卵配布に合わせて、ブログに転載しました。ブログではカテゴリ「ヤマメ発眼卵の飼育」を追加していつでも見られるようにしました。
 なお、この資料は『群馬の魚を育てる会』から頂いた資料を再編集したものです。
 群馬県水産試験場HPの「サケ科魚類の卵からの飼い方」 も参考になります。

(内容は続きをご覧下さい)
ヤマメ発眼卵の飼育

●孵化に必要な器具
  ◎水槽
  ◎ろ過器(飼育中の清掃がしやすい上部フィルター型が良いでしょう)
  ◎エアポンプ、ビニールチューブ、エアストーン
  ◎塩素中和剤(ハイポ)
  ◎水温計

●魚の発生
 メス親魚から採取した卵にオス親魚の精液をかけてかき混ぜると卵は受精し、卵内部で分割が進行、2~3週間で卵の内部に稚魚の原型ができ上がります。
 卵の中に眼が黒い点として観察することができるこの段階の卵を『発眼卵』といいます。皆さんにお分けするモノは、まさにこの状態です。受精してから3~5週間で卵は孵化します。

(下・ヤマメの発眼卵。この状態のものを配布します)

発眼卵_20101103

 孵化したばかりの稚魚は、お腹に「さいのう」と呼ばれる栄養物の入った袋をつけて水底に沈み、じっとしています。

(下図・「さいのう」を付けた稚魚)

さいのう稚魚_1 さいのう稚魚_2 さいのう稚魚_3

●浮上稚魚
 稚魚は「さいのう」の栄養分を吸収して少しずつ大きくなっていきます。それにともない、体表面に色素ができ、だんだん黒くなってきます。音や色の変化に敏感に反応するようになり、水中を泳ぐようになります。
 「さいのう」を吸収し終えると、もう立派な魚です。水槽の中層を泳ぎ始め、餌を食べ始めます。この段階を『浮上稚魚』といいます。

(下図・浮上稚魚)
浮上稚魚_1 浮上稚魚_2

 ●積算温度(水温)について
 植物の生育や魚の孵化に必要な熱量を表す目安の一つで、一日の平均水温(℃)×日数(日)=積算水温(℃日)という式で示されます。
 例えば平均水温15℃の日が10日続いたとすれば積算水温は150℃日になります。
 発眼卵を育てるのに一応の目安になるので、水温を毎日記録しておくと良いでしょう

(下図・積算温度~ヤマメ孵化に必要な積算温度の目安)

積算温度

●孵化に必要な器具
  ◎水槽
  ◎ろ過器(飼育中の清掃がしやすい上部フィルター型が良いでしょう)
  ◎エアポンプ、ビニールチューブ、エアストーン
  ◎塩素中和剤(ハイポ)
  ◎水温計


(下図・上部フィルター付きの水槽)

水槽

■器具の設置■

◎水槽は以下注意事項を読んでセットして下さい。
 発眼卵及びふ化して間もない稚魚は、外的な刺激に弱いので慎重に選んで下さい。設置場所に関する注意事項です。

◎水温は18℃以下、水温変化の少ない場所◎
(ヤマメはイワナ、サケと同じ冷水魚です。暖房器具の影響のないところを選んで下さい)

◎直射日光の当たらない場所◎
(色素ができるまで紫外線は致命的です!早朝にお配りするのもこのためです。)

◎水道水を使用する場合は必ず中和すること◎
(既に魚を飼っている水槽を利用する場合には2~3日日光消毒をして下さい。金魚などと一緒に入れますと卵を食べられてしまいますので避けて下さい。)
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■発眼卵を水槽に入れる前に■
 オレンジ色をしている発眼卵は、じきに孵化します。白濁している卵は死んでいますので、そっと取り除いて下さい。
 そのまま一緒に水槽に入れると「水生菌(水カビ)」が発生し、他の健康な卵が感染してしまいます。
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■発眼卵を水槽へ■
 死卵の除去が終わりましたら、オレンジ色の発眼卵をなるべくバラバラになるように水槽に入れて下さい。
 水槽の大きさに比べて卵の数が少なすぎるように見えても、稚魚が大きくなり、活発に動き回るようになると、45センチ水槽(30粒)、60センチ水槽(50~100粒)程度でも狭く思えてきます。
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■孵化■
 水槽へ発眼卵を入れてから、毎日観察していると1~10日(水温や卵によって差があります)で孵化します。
 孵化の時、稚魚が卵殻を内側から押し破るだけでなく、酸素の動きにより卵殻も弱くなっています。孵化直後の水槽の水はこの酸素によりやや白く濁り、水面には泡が出ますので、水槽の水を3分の1程度ずつ2~3日かけて取り替えて下さい。このとき、水道水を使用する場合は中和(ハイポはこのような時に使います)することを忘れないで下さい。)
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■孵化稚魚■
 孵化したばかりの稚魚は透き通った体に大きなオレンジ色の「さいのう」(卵黄)を付け、底にじっとしています。
 しばらくの間は「さいのう」を吸収しながら成長し、少しずつ体表に色素がでてきて魚らしくなりますが、稚魚が「さいのう」をほぼ吸収するまでは餌を与えず,毎日見守って上げ下さい。
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■餌付け■
「さいのう」を吸収した稚魚が水槽の中層を元気よく泳ぎ続けるようになったら、いよいよ餌付けです。餌(ペレット)は魚粉を主体として、ヤマメ・マス用にビタミン等必要な成分を調合したものです。
 ペレットの与え方の原則は、少量ずつ何回かに分けて与え、食べ残しが出ないようにすることです。
 餌付け当初は耳カキに半分くらいづつ水面に落としてやります。ペレットはだんだん沈んで行きますが、水槽の底に沈む量が多いようなら一度に与える量を減らし、稚魚が満腹になるまで(食べなくなるまで)根気よく与えてください。
 餌付けを始めた稚魚は日一日と大きくなりますが、小さな水槽内では勢力争いが起き、稚魚の間でも体の大きさに差が出るようになります。
 ひどい場合は、弱い小さい稚魚は餌を食べられず死んでしまうこともあります。このような状態は、自然の河川でも起こっており、稚魚とはいえヤマメ・マスの性質そのものです。日頃見られない貴重な生態を見ることができるのです。
 水槽が汚れたら、稚魚がふ化したときと同じ要領で水の入れ替えを行って下さい。
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■そして放流■
 発眼卵から育ててきた稚魚は、3月~4月上旬には2~3センチにまで成長します。
 そして、この頃になると水槽の最高温度が20℃を超える日も出てきます。稚魚は23℃くらいまでは耐えられますが、20℃を超えると餌を食べず、体力が弱くなってきますので時期をみて適切な場所に放流して下さい。
 「せっかく放流しても、いずれは釣り人に釣られてしまうのでは」と、心配になってしまう方もいらっしゃるでしょう。
 しかし、最近ではキャッチ&リリース(釣った魚を、できるだけダメージを与えないようにして再放流する)を心がける釣り人が、フライフィッシングやルアーだけでなく、餌釣りの人たちにも増えてきています。
 このようにキャッチ&リリースされた魚は、賢くなり釣られにくくなるので、多くが生残するものと考えられます。
 また、今年(2012年)から、渡良瀬川では桐生地区にキャッチ&リリース区域が漁協により設定され、この区域では釣った魚を殺したり、持ち帰ることが禁止されました。
 その結果、区域内では大型のヤマメが漁期(3月1日~9月20日)の後半になっても数多く見かけられるようになってきており、初年度からキャッチ&リリース区域設定の効果が表れてきているようです。その他にも漁協では稚魚放流などヤマメやイワナの増殖と保護に力を入れており、今後の成果が期待されます。
 そして、皆さんが大切に育てたヤマメの稚魚も、渡良瀬川やその支流へ放流された後、厳しい自然環境で生き残ることができれば、2~3年後には親魚として産卵し、再び新たな生命の誕生を見ることができるでしょう。

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